ネオン
|
|||||||||||||||||||||||||
| 一般特性 | |||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 名称, 記号, 番号 | ネオン, Ne, 10 | ||||||||||||||||||||||||
| 分類 | 希ガス | ||||||||||||||||||||||||
| 族, 周期, ブロック | 18 (0), 2 , p | ||||||||||||||||||||||||
| 密度, 硬度 | 0.8999 kg•m−3,(0℃、1atm) | ||||||||||||||||||||||||
| 単体の色 | 無色 |
||||||||||||||||||||||||
| 原子特性 | |||||||||||||||||||||||||
| 原子量 | 20.1797 u | ||||||||||||||||||||||||
| 原子半径 (計測値) | no data (38) pm | ||||||||||||||||||||||||
| 共有結合半径 | 69 pm | ||||||||||||||||||||||||
| VDW半径 | 154 pm | ||||||||||||||||||||||||
| 電子配置 | He2s2 2p6 | ||||||||||||||||||||||||
| 電子殻 | 2, 8 | ||||||||||||||||||||||||
| 酸化数(酸化物) | 0(no data) | ||||||||||||||||||||||||
| 結晶構造 | 面心立方構造 | ||||||||||||||||||||||||
| 物理特性 | |||||||||||||||||||||||||
| 相 | 気体 | ||||||||||||||||||||||||
| 融点 | 24.56 K (-248.59 ℃, -415.46 °F) |
||||||||||||||||||||||||
| 沸点 | 27.07 K (-246.06 ℃, -410.94 °F) |
||||||||||||||||||||||||
| モル体積 | 13.23 × 10−3 m3•mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
| 気化熱 | 1.7326 kJ•mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
| 融解熱 | 0.3317 kJ•mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
| 蒸気圧 | no data | ||||||||||||||||||||||||
| 音の伝わる速さ | 936 m/s | ||||||||||||||||||||||||
| その他 | |||||||||||||||||||||||||
| クラーク数 | 5 ×10-7% | ||||||||||||||||||||||||
| 電気陰性度 | no data | ||||||||||||||||||||||||
| 比熱容量 | 103 J•kg−1•K−1 | ||||||||||||||||||||||||
| 導電率 | no data | ||||||||||||||||||||||||
| 熱伝導率 | 0.0493 W•m−1•K−1 | ||||||||||||||||||||||||
| イオン化エネルギー | 第1: 2080.7 kJ•mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
| 第2: 3952.3 kJ•mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
| 第3: 6122 kJ•mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
| 第4: 9371 kJ•mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
| 第5: 12177 kJ•mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
| 第6: 15238 kJ•mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
| 第7: 19999 kJ•mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
| 第8: 23069.5 kJ•mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
| (比較的)安定同位体 | |||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||
| 注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。 | |||||||||||||||||||||||||
ネオン(Neon)は原子番号10の元素である。名称はギリシャ語の'新しい'を意味する「νέος (neos)」に由来する[1]。元素記号は Ne。
単原子分子として存在し、単体は常温常圧で無色無臭の気体。融点 -248.7 ℃、沸点 -246.0 ℃(ただし融点沸点とも異なる実験値あり)。密度は 0.900g/dm3(0℃、1atm)・液体時は1.21 g/cm3(-246℃)。空気中に18.2 ppm含まれ、希ガスとしてはアルゴンに次ぐ。工業的には、空気を液化・分留して作る手段が唯一事業性を持てる[1]。磁化率 -0.334×10-6 cm3/g。1体積の水に溶解する体積比は0.012[2]。
ネオンの三重点(約24.5561K)はITS-90の定義定点になっている[3]。
目次 |
編集 歴史
ネオンは1898年にロンドンで、イギリス人化学者ウィリアム・ラムゼー卿(1852年‐1916年)とモーリス・トラバース(en)(1872年‐1961年)が発見した[4]。ラムゼーが、液体状になるまで冷却した大気を暖めて気化したガスをそれぞれ分留する実験を行っているとき、大気主成分(窒素・酸素・アルゴン)を取り除いた後に残る物質からクリプトン・キセノン・ネオンをそれぞれ見つけた[5]。
1910年12月、フランスの技術者ジョルジュ・クロードがネオンガスを封入した管に放電することで、新たな照明器具を発明した。パリの政府庁舎グラン・パレで公開後、1912年には彼は仲間たちとこの放電管をネオン管として販売し始め、理髪店で最初の広告として使用された。1915年に特許を取得し「クロードネオン社」を設立[6]。1923年、彼らがネオン管をアメリカに紹介すると、早速ロサンゼルスのパッカード自動車販売代理店にふたつの大きなネオンサインが備えられた。赤々と輝き人目を惹くネオンの広告は、他社との差別化を鮮明に映し出した[7]。
1913年にジョゼフ・ジョン・トムソンが、陽極線(en)の成分分析を行っていた際、磁界や電界を通る流れを導き出し、写真乾板上に写り込んだ軌跡から偏向を計測して、ネオン原子の基本的性質の解明が始まった。写真には二本の光軌跡が見つかり、これは異なる放物線を描くネオンの偏向があることを示していた。トムソンは、これが同じネオン元素で分子量が異なるものが二種類あるために起こった現象と結論づけた[8]。これは最初の安定的な同位体発見であり、その手法は改良され現在の質量分析法へ[9]と発展した。
編集 性質・用途
ネオンはガスとしてのみならず物質全体でも最も反応性に乏しい元素である[10]。
ネオンは希ガスとしては2番目に軽く、ガイスラー管に詰め放電すると橙赤色で光るため、ネオン管の封入気体として利用される[2]。実際は、アルゴンや水銀などの添加物を用いていろいろな色を出す。標準的な電圧と電流下において、ネオンのプラズマは希ガス中で最も激しい光を放つ。人間の目には一般に赤‐オレンジ色に見えるこの光は、実際には多くの波長から成っている。強い緑色の光線も含まれるが、これは分光しないと判断できない[11]。ネオン管は高圧電流を素早く流す性質があり、落雷の電気をアースに流し機器類を護る避雷塔にも使われる[1]。
単原子分子として存在するネオンは、空気の大部分を占める多原子分子の窒素分子や酸素分子よりも軽く、ネオンの気球はヘリウムと比べればゆっくりであるが上昇する[12]。
液体ネオンの気化熱は420cal/mol=1.8kJ/molであり、極低温環境での冷媒として非常に効率が高く、経済的である[1][13]。
同じ質量で気体・液体の体積比率差が大きいこともネオンの特徴である。通常の気体:液体比率が500-800倍なのに対しネオンは1400倍にもなる。そのため貯蔵性・輸送性に優れる。また窒素に近い密度があるため、酸素と混合して作る人工空気の原料として用いるとヘリウムのような声の変化を起こさない。この特徴を生かして大深度潜水のテクニカルダイビングや宇宙で使用されることもある[1]。
この他にも、高エネルギー粒子の軌跡観察に使用する箱にネオンを満たすと、ネオンがイオン化して発光する。ヘリウムとの混合ガスはレーザー光の波長を揃えることが出来る[1]。
編集 同位体
詳細は「ネオンの同位体」を参照
3種類の安定同位体の存在が知られている。
編集 脚注
- ^ a b c d e f 「【ネオン】」『元素111の新知識』 講談社、1998年(初版1997年)、第六刷、72-74。ISBN 4-06-257192-7。
- ^ a b 「【ネオン】」『岩波理化学辞典』 岩波書店、1994年、第四版第九刷、948。ISBN 4-00-080015-9。
- ^ “The Internet resource for the International Temperature Scale of 1990”. 2009年7月7日閲覧。
- ^ ウィリアム・ラムゼー、モーリス・W・トラバース (1898年). “On the Companions of Argon”. Proceedings of the Royal Society of London 63: 437-440. DOI: 10.1098/rspl.1898.0057.
- ^ “Neon: History” (英語). Softciências. 2007年2月27日閲覧。
- ^ 小野博之. “ネオン史余話” (日本語). 社団法人全日本ネオン協会. 2010年4月17日閲覧。
- ^ Mangum, Aja (2007年12月8日). “Neon: A Brief History”. New York Magazine 2008-05- 20 閲覧。
- ^ “1-3:中性子の発見” (日本語). 九州大学粒子物理学講座. 2010年4月17日閲覧。
- ^ “核燃料サイクル工学実験教育テキストPDF” (日本語). 財団法人エネルギー総合工学研究所. 2010年4月17日閲覧。
- ^ Lewars, Errol G. (2008年). Modelling Marvels. Springer, 70-71. ISBN 1402069723.
- ^ “Plasma” (英語). 2007年3月5日閲覧。
- ^ Gallagher, R.; Ingram, P. (2001年). Chemistry for Higher Tier. University Press. ISBN 9780199148172.
- ^ “NASSMC: News Bulletin” (2005年12月30日). 2007年3月5日閲覧。
編集 参考文献
- Neon(ロスアラモス国立研究所、 英語)
編集 関連項目
| 1 | 元素の周期表 | 18 | ||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | H | 2 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | He | ||||||||||
| 2 | Li | Be | B | C | N | O | F | Ne | ||||||||||
| 3 | Na | Mg | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | Al | Si | P | S | Cl | Ar |
| 4 | K | Ca | Sc | Ti | V | Cr | Mn | Fe | Co | Ni | Cu | Zn | Ga | Ge | As | Se | Br | Kr |
| 5 | Rb | Sr | Y | Zr | Nb | Mo | Tc | Ru | Rh | Pd | Ag | Cd | In | Sn | Sb | Te | I | Xe |
| 6 | Cs | Ba | * | Hf | Ta | W | Re | Os | Ir | Pt | Au | Hg | Tl | Pb | Bi | Po | At | Rn |
| 7 | Fr | Ra | ** | Rf | Db | Sg | Bh | Hs | Mt | Ds | Rg | Cn | Uut | Uuq | Uup | Uuh | Uus | Uuo |
| 8 | ... | |||||||||||||||||
| * | La | Ce | Pr | Nd | Pm | Sm | Eu | Gd | Tb | Dy | Ho | Er | Tm | Yb | Lu | |||
| ** | Ac | Th | Pa | U | Np | Pu | Am | Cm | Bk | Cf | Es | Fm | Md | No | Lr | |||
